第47回日本小児感染症学会総会・学術集会

会長挨拶

ビルド バック ベター 「小児の感染・炎症・免疫・予防」

 2011年3月11日、東日本は近代になって経験したことのない複合型大災害に襲われました。特に福島県は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、小児を中心に多くの県民が避難し、県民人口がおおよそ11万人減少する事態に至りました。その年の日本小児感染症学会において、東北地方への震災復興支援の意味合いを含めて、福島県での本会開催の打診を頂きました。大勢の皆さんにご参加いただくことが、福島県に暮らす子どもたちに元気を、大震災を経験した東北に勇気を与えてくれるものと思い、僭越とは存じましたが大会長をお引き受けさせていただきました。

 我々福島県民の願いは、「復旧」ではなく「復興」です。すなわち、震災前よりも良いものにしたいとの願いが「ビルド バック ベター」です。その気持ちをメインテーマに込め、そして日本小児感染症学会がさらに飛躍発展することを願って、この度のメインテーマをビルド バック ベター「小児の感染・炎症・免疫・予防」とさせていただきました。

 招待講演には、NIAIDのBarney S. Graham先生をお招きし、かつてホルマリン不活化ワクチンの失敗はありましたが、現在開発が望まれるワクチンの筆頭に挙げられる「RSVワクチン」の開発状況についてお話しいただきます。また、韓国小児感染症学会からは、Seoul National University のEun Hwa Choi先生にお出でいただき、「韓国でのMERS流行とその制圧」についてご講演いただきます。特別講演には、震災・津波・原発事故直後に駆けつけ、福島の復興にご尽力いただいた長崎大学理事兼副学長の山下俊一先生に「原発事故と医療人;チェルノブイリと福島の経験から」と題して原発事故の健康影響についてご講演いただきます。シンポジウムは、小児感染症領域の更なる進歩・発展を願い、1)小児感染免疫領域に必要な診療支援ネットワーク、2)感染症関連ガイドライン:これまでとこれから、3)「ワクチンギャップの解消」から「世界で最も進んだ予防接種」へ、4)小児感染症医の未来を考える:ホームドクターとしての認定医、エキスパートとしての専門医、としました。他にも教育講演(7題)、教育セミナーBasicコース(2題)、ランチョンセミナー(18題)、ICD講習会等の企画があります。

 しかし、今回最も大切にしたかったのは一般演題です。聞きたい演題がなるべく聞けるよう口演会場数を5会場に絞り、見たい演題はゆっくり見られるようポスター発表を導入しました。そして、口頭発表からは例年通り若手研究者賞(YIA)を選考し、ポスター発表からはポスター賞を選出し、優れた発表を表彰し奨励することと致しました。受賞者の選考は、まず研究教育委員会の委員の先生に予備審査いただいて候補者を選出し、発表当日に評議員全員による投票を行い最終選考することとしました。初めての試みであり選考が順調に進むよう祈るばかりですが、一般演題を発表される先生方の意欲向上に繋がればと期待しております。

 本会が、ご参加いただいた方々皆様にとって有意義なものになりますよう、また会員相互の懇親の場となりますよう鋭意準備いたしておりますので、是非、第47回日本小児感染症学会総会・学術集会にご出席くださいますようお願い申し上げます。

第47回日本小児感染症学会学術集会 会長
福島県立医科大学小児科学講座 主任教授
細矢 光亮

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